タオの第41章 多くの人には逆(さかさ)に見えても

こんな私の話を聞いて、人々は

 いろんな受け取りかたをする。

 

はっと感じとって、これを

 自分の内面的変化の

 きっかけにする人がいる。

 

ちょっと聞き耳を立てるが

 半信半疑で身をひいちまう人もいる。

 

まあ、たいていの人は

 馬鹿らしいと言って、大笑いするんだ。

 

だから・・・・

 

馬鹿にされて笑われたりするのは

 このタオの道が本物だ、

 という証拠。

 

じっさい、タオの道は、

 多くの人の目には逆にうつる。

 

それは実に明るいのに

 妙に薄暗く見える。

 

たえずゆっくり進んでいるのに

 立ち止まって、後ずさりしているかに見える。

 

平らな大きな道なのに

 でこぼこの険しい山路に思える。

 

実の高い素質なのに

 俗っぽく小ずるいと考えられたり

 清く潔白なのに

 薄汚れたものと受け止められる。

 

どこにも行き渡るパワーなのに

 ちっとも役立たんものとされる。

 

しっかり地についた思想なのに

 ぐらついて頼りないものにみえる。

 

その中心には純粋な心が座ってるのに

 人は空っぽとしか思わない。

 

だいたい、

 とっても大きなものは

 四方の隅がみえない。

 人間も・・・・・

 とんでもなく大きな才能は、はじめ

 薄馬鹿に見えるんだ。

 

うんと大きな音は

 かえって耳に入らないし

 大空に出来る形は

 千変万化して捉(とら)えどころがない。

 

同じように

 タオの働きは

 名のない領域から出てきて

 黙って力を貸して、

 萬物を助けるのです(笑)