遊園地の
大きな観覧車を想像してくれたまえ。
沢山のスポークが
輪の中心の轂(こしき)から出てくるが
この中心の轂は空っぽだ。
※スポーク【spoke】とは、自転車などの車輪の軸と輪とを放射状につなぐ細い棒。
※轂(こしき)とは、車の輪の中心の太いまるい部分。中を軸が通り、周囲に輻(や:細い棒)が放射状に差し込まれている。
だからそれは・・・・・
数々のスポークを受け止め、
大きな観覧車を動かす軸になっている。
粘土をこねって
ひとつの器(うつわ)をつくるんだが、
器は、かならず
中がくられて空(うつろ)になている。
この空(うつろ)の部分があってはじめて
器は役に立つ。
中がつまっていたら
何の役にも立やしない。
同じように、
どの家にも部屋があって
その部屋は、うつろな空間だ。
もし部屋が空(から)でなくて
ぎっしりつまっていたら・・・・・
まるっきり使いものにならん。
うつろで空(あ)いていること、
それが家の有用性なのだ。
これで分かるように
私たちは物が役に立つと思うけど
じつは物の内側の、
何もない虚(きょ)のスペースこそ、
本当に役に立っているんだよ。
面白い(笑)