黄帝内経 62.調経論篇(ちょうけいろん) その2

黄帝内経 62番目は調経論篇(ちょうけいろん)です。

ここでは各臓の精気の有余と不足について教えてくれている。

 

1.神(心の精気)有余と不足。

 心気が有余すると良く笑う・・・・心に余裕があると心も軽いからね。

 不足すると悲しむ。

 

 この程度で心臓まで悪くない。

 気または血の変化と、心気の変化とが合体していないからだ。

 もし、外邪が来ても少し悪寒するだけ。

 外邪が来た時の状態を神の微という言う。

 

 有余の時は小さな絡から血が出す。

 決して深く刺してはならない。

 不足の時は、経絡(心また心包)の虚している部分を軽く圧する。

 また、軽く針を接し、血を出してはいけない。

 

 外邪による「神の微」の時も、軽く針先を接する程度が良い。

 決して強く按圧してはいけない。

 

よく笑うのは陽気が多いから。

証で言うと腎虚心盛の人。

腎経の然谷(火谷)を補う。

 

上に多い陽気を下に下ろして引いてやる。

心経を写法するから。

取り越し苦労をする人。

心配事があると食欲のなくなる人。

これらは陽気が不足するから。

心包経の大陵、内関(ないかん)を補う。

同時に、脾経の公孫(こうそん)、商丘(しょうきゅう)を補う。

気分が晴れやかになる。

 

2.気(肺の精気)の有余と不足。

 肺気が有余すると喘欬(ぜんがい)してのぼせる。

 経脈の気または血の変化と、肺の気虚が合併して現れていないから。

 しかし、気血ともにもらしてはいけない。

 これを魄気微泄(はっきびせつ)と言う。

 

 有余の時はその経脈を刺す。

 しかし、気血ともにもらしてはいけない。

 不足の時はその経脈を補う。
 皮膚に病気がある。

 「魄気微泄(はっきびせつ)」を治療する時は、「針を深く刺すぞ」と言って、実際には

 軽くなでて、針先を皮膚に接するだけでよい。

 

一般に喘欬(ぜんがい)の症状を発する場合は、肺に熱がこもっている。

肺経を治療するのなら、魚際、中府を軽く刺す。

針先を接するだけで、肺熱が発散される。

または、肝経の中封(金穴)を補う。

 

3.血(肝の精気)の有余と不足。

 血の有余は怒り、血の不足は恐れ。

 この程度ではまだ肝臓は悪くない。

 気または血の変化と、肝気の変化とが合併して病症を現していない。

 もし悪くなったとしても孫絡に血が滞るだけ。

 

 血の有余は盛んになった経に刺針して血を出すと良い。

 不足の時は、虚している経に刺針し、脈気が盛んになったら抜く。 血を出してはいけない。

 血絡は刺して血を出すと良い。 そのままだと、悪い血が経脈にまで侵入し病気を起こす。

 

怒りやすく、イライラする時は肝経を補い胆経を写する。

血が多くなって滞り、瘀血(悪血)が出来ようとしている。

 

恐れやすい。気が小さい。

消極的だと言う人の場合、腎経、肝経、胆経を全部補う。

 

というように「五種の神、気、血、形、志」の有余と不足についての三つまで来ました。


明日は形と志について記載します。

言い回しも内容も素人には難しいけど、深く考えずに言葉を受け止めてみると面白い。

こんな形で、こんな方法で技術が伝承してきたという事実・・・素晴らしい(笑)