黄帝内経 47.奇病論篇(きびょうろん)

黄帝内経の47番目は奇病について教えてくれている。

 

昔から奇病はあったんですね。

奇病とは奇怪な病気の意味ではない。

 

病理などのよくわからなかった病気のこと。

 

稀にしか診ることがない病気の意味です。

 

◆妊娠

黄帝⇒妊娠9ヶ月目で声が出なくなることがある。これは何故?

岐伯⇒子宮の絡脈の通りが悪くなったからだ。

黄帝⇒その理由は?

岐伯⇒子宮の絡脈は腎に通じている。腎につらなる少陰経脈は舌本に通じている。

    だから声が出なくなるのだ。心配ない分娩すれば自然に治る。

 

◆脇の下

黄帝⇒脇の下が張ってくるしい。気がつき上がって胸苦しい病状が二、三年も続くことがある。これはどんな病気か?

岐伯⇒息積という。食欲には異常がない。針灸治療は駄目である。薬物だけでも駄目。根気よく按摩をしながら服薬すると良い。

 

◆腰下が腫れる

黄帝⇒腰以下が腫れて臍の周囲が傷む病人がいる。これは何病か?

岐伯⇒伏梁(ふりょう)という。これは風邪が原因である。この風邪が大腸からはみ出して陽間膜につく。陽間膜が悪い時の反応点は臍の下の気海穴である。だから、臍の周囲が傷むのだ。この伏梁を刺激しては駄目。もし、無理に治療すると小便が出にくくなる病気に変化する。

 

◆孔最穴周辺の筋肉

黄帝⇒脈が甚だ頻数で、孔最穴周辺の筋肉が引きつっているのは何病か?

岐伯⇒これは筋肉の病気だある。下腹部の筋肉も引きつってくる。もし、顔色が蒼白で、血色がない時は重症である。

 

◆頭痛

黄帝⇒数年も頭痛を病んで直らないのは何故か?

岐伯⇒それは寒にやられたためだ。寒気が骨髄に侵入し、骨髄から脳にまで昇ったのである。歯も痛むはずだ、これは厥逆という病気である。

 

◆口が甘い

黄帝⇒口が甘くなるのは何病か?

岐伯⇒脾気の溢れた病気で脾疸という。

五味は口から胃に入って精気を作る。

この精気は五臓に送られる。

この場合は、脾に送られる甘味の津液が余って口に上がってくるから甘く感じる。

これは身食が原因だある。

 

甘美食を摂りすぎると必ず肥る。

肥えると内に熱がこもる。

熱がこもると口がやたらと渇る消渇病(しょうかちびょう)になる。

熱をとる薬草を服用して直す。

 

◆口が苦くなる

黄帝⇒口が苦くなるのは何病か?

岐伯⇒これは胆に熱をもった病気で胆疸(たんたん)という。

胆は物事を決断する働きを持っている。

ところが思うことがテキパキと進まず、欲求不満になってイライラすると胆が虚してしまうと胆汁をおさめておくことができず、上にあふれ出て口が苦くなる。

 

◆小便が出ない

黄帝⇒癃病(りゅうびょう)という小便の出ない病気がある。身体が熱し、首や胸がしめつけられたように苦しくなる。呼吸もくるしくなる。寸口部の脈は髪の毛のように微細になる。これはどんな病気か?

岐伯⇒これは脾経の病根がある。

そのために胃経に熱をもってしまう。熱の為に肺の気もめぐらなくなる。

厥病の一種であって死症である。

 

◆テンカン

黄帝⇒生まれながらにテンカンもち、という病人がいるのは何故?

岐伯⇒これは胎病である。母親の胎内にいた時に母親が驚く事件にあったりするとなる。

驚くと気が頭に上る。胎児の気も頭に上がったのである。

 

いろいろあるね~以上です(笑)