謙遜の徳の地山謙

易の64卦15番は謙遜の徳の地山謙(ちさんけん)。

上爻は「鳴謙(めいけん)す。用(もっ)て師(いくさ)を行(や)り、邑国(ゆうこく)を征(せい)するに利(り)あり」

「鳴謙(めいけん)」という言葉が使われている。

これは、謙虚な人柄が広く知られている形です。

でも、上爻は、上り詰めて隠居する場所なので「立派な人でした」と過去形で世間に知られているということです。

社長のやり方を外から見て、「もっと外国にでも進出すればいいのに」などと思う会長の立場といえる。

その場合、社内のゴタゴタを注意したり、人事の改革に口を出す程度のことはできますが、大きく動かす力はもうないでしょう。

よく、うちの社の大久保彦左衛門などといわれているような人、政界のご意見番などと言われている人は、この爻にあたるでしょう。

人柄が認められていれば、それなりの存在価値はあって「利あり」ですね。