今日の卦は退避の天山遯

易の64卦33番は退避の天山遯(てんざんとん)」。

五爻は「嘉遯(かとん)す。貞(ただ)しければ吉」。

会社を愛し、家族を愛し、仕事を成し遂げて、みんなにおしまれながらも、浮世のしがらみから逃れて静かに暮らす。

こういう人は悠々自適の生活を楽しむことができる。

これは、自分の力がなくなって、やむえなず退くのとは、根本的に違います。

会社の社長をしていたのに、バブルの直撃で自身がノイローゼになり会社を子供に譲って引退したものの、悠々自適どころか相変わらず気力をなくして半病人の暮らしを続けている実例がある。

彼の頭には自分の苦痛、自分のみじめな姿しかなく、その後の会社が意気を吹き返して隆盛(りゅうせい)になりつつあることさえ見えないありさま。

これは広く人を愛する心を失い、自己愛しかもてなくなった無残な形。

広く世を愛し、人々を愛しつづける心をもちつづけていれば、たとえ山奥に一人暮らしていても、それは好遯したことになるのです。

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