タオの第77章 能力や才能を見せつけない

道(タオ)の働きっていうのは

 弓を引きしぼる時と似ている。

 

もっともいいエネルギーを出すためには

 弓の下のほうを引き下げ

 弓の下のほうをひきあげる。

 

それは・・・・・

 

上の餘(あま)った力を取り去って

 下の足りない力を補う働き。

 

道(タオ)の深い大きな働きはいつも

 ありあまる所から取り去り

 足りない所にくばるのだ。

 

ところがどうも・・・・・

 

人間のすることは違うんだ。

 

世に中、

 足りない所はますます足りなくなり

 あまっているところにますます溜(たま)る。

 

そうじゃないか。

 

じっさい・・・・・・

 

たっぷり溜っているくせに、

 それを分ける人なんて

 まず見当たらないんだ。

 

ただ

 道(タオ)につながる人は

 その方向に働く。

 

そして・・・・・

 

そういう人は

 よいエネルギーが出て何か仕遂(しと)げても

 仕遂げたものを

 自分のものにしない。

 

世間でも成功しても、

 そこに居据わりつづけない。

 

その人は、

 自分の能力や才能を

 ことさら見せ付けたりしないんだよ(笑)