タオの第74章 天の刑の執行人

もし政治が人民をうんと傷めつけて

 人々がもう死んだほうがいい、

 と思うほどになったら、

 政治家は死刑でもって

 人民を脅せなくなる。

 

もしその政治が人民をよく生かして

 人々をほんとうに楽しませたら、

 死刑にするのは、まあ

 大欲を起こす変人だけだろうが、

 そういうものはごく稀(まれ)にしか出まい。

 

そして・・・・・・

 

ほんとうに生命(ライフ)を楽しむ人たちの世では

 殺す役を

 天の働きに任せるようになる。

 

天の働きに代わって

 人間が人間を殺すとすれば、

 どうしても・・・・・

 間違いを起こしかねないんだ。

 

天の刑の執行人は、

 大変な力と技をもった大工のようなものだ。

 

こんな大工に代わって人間が

 その斧を振るうんだからね、

 どうしても

 自分の手を傷つけることになるんだ。