タオの第62章 ようこそ、ダメ人間の避難所へ

デルタの向こうに海がある。

 

海は清い水も濁った水も受け入れる。

 

ゆったりと揺蕩(たゆた)っている。

 

この世にある道(タオ)にあり方は

 とても海に似ている。

 

それは・・・・

 世の善人といわれる人を大事にするが、

 悪人といわれる人にも

 くつろげる所なんだ。

 

言葉がうまく世に役に立つ人や

 金と名誉に恵まれた人ばかりか

 へまな生き方をする人間だって受け入れるんだ。

 

世の先頭に立つリーダーや社長に

 なにかの祝いごとがある時

 ひとはさまざまな贈り物をする。

 

しかし道(タオ)につながる人は

 黙って眺めていて、心で

 タオという道を贈り物にする。

 

いったいなぜ、昔から

 この道がこんなに貴ばれるのか

 知っているかね?

 

ダメな奴も

 世間でいう罪を犯した者も

 黙って受け入れてくれるからさ。

 

タオはね

 世の中でダメ人間とされる連中の

 避難所だといえるんだ。