タオの第58章 よく光る存在だが・・・・

時の政府がモタモタして能率が悪いと

 かえって国民は素直に元気に働く。

 

政府が能率よくきびきびやると・・・・

 国民はかえって不満でずる賢くなる。

 

世の中のことなんてこんな風に

 パッピーなものは災いを起こすし

 ミゼラブルな駄目な状態には

 パッピーな動きが潜んでいるんだ。

 

そのように転じてゆくわけだが、

 どこが転回点であるかは、

 なかなか見極められないよ。

 

正しい政治をやっていた政府が

 たちまち邪悪な戦争をしかけたりするんだ。

 

前の時代には善いこと、真実のことだったのが

 次時代には悪や異常に変わる。

 

こういう変化に

 人々はずいぶん長い事振り回されてきた。

 

もう、いいではないか。

 

タオの道に志したら、ひとは

 簡単にこうだああだと割り切られなくなる。

 

自分は丸くても、

 ひとの角ばったところを削りゃしない。

 

鋭いものをもっているけど、

 それで刺したりしないし、

 自分がまっすぐでいても

 ひとの曲っているのを、ゆったり受けいれる。

 

よく光る存在なのだが

 その光で

 人にまずしい思いなんかさせない。