タオの第56章 深い同化の技

だから・・・・

 

自分の中の精気(エナジー)を、

 いかに保つか。

 

これは、身体の全体で感じるべきもの。

 

それを知る人はあれこれ言われない。

 

知らない人がかえって、

 いろいろ喋(じゃべ)くるんだ。

 

知る人は、 

 口でも耳でも眼でも、あまり

 無駄使いをしない。

 

むしろ、目や耳や口が鋭く働くのを

 制限する。

 

ごたついた考えをほぐし、

 利口な先走りを抑え、

 世間で塵やゴミと見られるものと

 一緒にされても、平気でいる。

 

こういう態度を玄同、

 「深い同化」というんだよ。

 

だから世間が

 こういう人に親しもうにも、

 とらえどころがないんだ。

 

無視しても効果はない。

 

利用しようにも乗ってこない。

 

やっつけようにも、手がかりがない。

 

とっ摑(つか)まえたって、利益にならず、

 軽蔑(けいべつ)したって手応えがない。

 

そして、しまいに世間は

 こういう人を、貴ぶようになるのさ。