タオの第49章 心を空(から)にする人

心を空にする人は、だから

 定まった意見なんか持たない。

 

その人がリーダーになると、

 人びとの考え方や感じ方に

 どのようにも応じられる。

 

その人は言うだろう・・・・・

 

「おれは、善いものは、善しとするさ。

 そして、悪いものも善とする。

 

 それこそタオの本当の<善さ>なんだ。

 

 おれは正直者を信用するさ。

 

 しかし・・・・

 不正直者だって信用する。

 

 だって・・・・

 

 それがタオの本当の<信じ方>だからさ」

 

こういうタオの人は、

 世の中にいても

 囚われないでいる。

 

心は・・・・

 

誰に対しても自由でいられる。

 

人々はみんな口や耳や眼を働かせ

 あれこれ言ったり見張ったりする。

 

タオの人は幼い子みたいに、

 微笑んでいるのさ。