タオの第32章 永遠のエナジーの流れ

道(タオ)の働きは

 名づけようのないものだ。

 

それというのもこれが

 永遠のエナジーの流れだからなんだ。

 

このタオにつながる人の心は、

 木で言えば、

 伐り出されたばかりの木であり

 割られていないものだ。

 

言わば、何でも応じられる

 一本化した心の状態なんだ。

 

もし指導者がこういう心でいたら

 黙っていても、人はつき従うだろう。

 

そういう国土には

 天と地が一緒になって

 やわらかな雨を降らせるだろう。

 

誰彼の選り好みなしにね。

 

ところで人間は

 タオの無名の領域だから

 名を取り出して使いはじめた。

 

これは仕方のないことだがね。

 しかし・・・・・

 あらゆるものを

 細かく分割して名をつけだしたために

 危ない事になってきた。

 

あくせくする人は

 どうか知ってほしい。

 

止まるところを知ったら、もう・・・

 危険はない・・・・・とね。

 

そして自分がかつて

 伐りだされた木であったことを思い起こし、

 時にはそこへ帰ってほしい。

 

別の譬(たと)えで言えば、

 はじめの自分は

 谷川の小さな流れだった。

 

そして、その流れはゆったりと

 海に至るんだ・・・・・・・・・・・・君を運びつつ。