タオの第31章 人を殺して楽しむ者よ

恐ろしいことにこのごろは

 こんな常識さえ忘れはじめているんだが、

 武器というのは悪い道具・・・・・凶器なんだよ。

 

本当は

 どんな人だって嫌うものなんだ。

 

だからタオの命につながる人は

 この道具を使おうとしない。

 

むろん、前に言ったように

 どうしても仕方ない時には用いるさ。

 

しかし、その時でも

 最小限のところでとどめるんだ。

 

そして・・・・

 

勝ったって得意にはならない。

 

得意になるような者は

 人を殺して楽しむようになる。

 

人を殺して楽しむ者は、かならず

 その野望の極みまで行く、

 そして国を破滅に導く。

 

だからタオにつながる人は

 戦いに勝った時の祝いを

 葬儀にようにするんだ。

 

多くの人を殺したことを

 悲しんで泣くのだ。

 

まことに

 

勝利は葬儀の礼ですべきものなんだよ。