どんな人の中にも
男性素質(アニムス)と女性素質(アニマ)がある。
自分の中の雄々しさを知って、
さらに優しさと柔らかさを守れば
君は天下の谷のように
何でも受け容れる存在になる。
谷水のようなパワーを湛(たた)えて
多大の母とつながる赤ん坊となる。
君の中にある白くて清(きよ)いものを
意識しつつ、
黒く汚いものとともに居る。
そういうあり方こそ
この世の生き方の手本なんだ。
世間の名誉や贅沢を知ったうえで
いつも謙遜した気持ちで居る。
そうなれば、あの
天下の谷の、
絶えざる水につながる。
割られる前の木のように、
素朴なままでいられるんだ。
この木が割られると、
数多くの容器になるわけだが、
自分のなかにあるものを割る時には、
あまり細かくしないがいい、
そうすれば元の木の素質が
あまり失われない。