タオの第28章 「アニムス」と「アニマ」

どんな人の中にも

 男性素質(アニムス)と女性素質(アニマ)がある。

 

自分の中の雄々しさを知って、

 さらに優しさと柔らかさを守れば

 君は天下の谷のように

 何でも受け容れる存在になる。

 

谷水のようなパワーを湛(たた)えて

 多大の母とつながる赤ん坊となる。

 

君の中にある白くて清(きよ)いものを

 意識しつつ、

 黒く汚いものとともに居る。

 

そういうあり方こそ

 この世の生き方の手本なんだ。

 

世間の名誉や贅沢を知ったうえで

 いつも謙遜した気持ちで居る。

 

そうなれば、あの

 天下の谷の、

 絶えざる水につながる。

 

割られる前の木のように、

 素朴なままでいられるんだ。

 

この木が割られると、

 数多くの容器になるわけだが、

 自分のなかにあるものを割る時には、

 あまり細かくしないがいい、

 そうすれば元の木の素質が

 あまり失われない。