第二章:中医:蔵象学説:五臓の肝:気機の調暢 66頁♪

◆情志を調暢(ちょうしょう:スムーズに流れる)する。

 

情志の活動は神明を主る心の生理功能の属するが、肝の疏泄効能とも密接な関係がある。

 

というのは正常な情志活動は、気血の正常な運化に依拠するからで、情志の異常が人体の生理活動に与える大きな影響も、 正常な血液の運化を妨げる。

 

肝の疏泄効能に具わる情志の調暢作用は、気機(きき)が調暢され、気血が調和し、心情も明朗になりやすい。

 

その逆であれば、肝気が鬱結(うっけつ)し、心情が抑鬱(よくうつ:気分が沈む)になりやすく、少しの刺激にも反応し鬱を溜めていく。

 

肝の昇泄が多すぎ、陽気が昇騰(しょうとう:のぼる)して上がれば、心情は焦燥(しょうそう)しやすく、少しの刺激にも怒りやすくなる。

 

これは情志に対する肝の疏泄功能の影響による。

 

逆に、情志の異常が反復する情況のもとでは、肝の疏泄功能にも影響し、肝気鬱結や昇泄過多をもたらす。

 

その他、女子の排卵と月経、男性は俳精も、肝の疏泄功能と密接な関係がある。