タオの第十章 玄(おく)にある深い力

われら心と肉体をもつものは

 

ひとたびタオの道につながれば

 

身体(からだ)と心は離れないようになる。

 

精気(エナジー)にみちて柔らかいさまは

 

生まれたての赤ん坊みたいだ。

 

よく拭(ぬぐ)った鏡みたいに澄んでいる。

 

その人が国を治めれば

 

ただ民を愛するだけで充分なんだ。

 

天と地の出てきた神秘の門

 

あれを開いて、母と遊ぶことができるんだ。

 

無理に知ろうなんてしなくとも

 

四方八方、とてもよく見えてくる。

 

もちろんタオの人も

 

生んだり愛したり養ったりするさ、

 

しかしそれを自分のものとしない。

 

熱心に働いても

 

自分のしたことだと自慢しない。

 

ひとの先頭にたってリードしても

 

けっして彼らを支配しようとしない。

 

これを玄徳というんだ、すなわちそれは

 

ひとの玄(おく)にある深い力が、

 

いちばんよく働くことなんだ(笑)