タオの第五章 巨大なふいご

名のない領域から生まれた天と地は

すべてのものを公平に扱う。

 

人間だけを贔屓(ひいき)にしたりするような、

 そんなセンチメンタルなものじゃない。

 

人でも犬でも

 おなようように生かしもすれば、

 殺しもするんだ。

 

この天地の働きは

 まるで巨大なふいごみたいなものでね。

 

なかは空っぽだけれど

 ひとたび動きだすと、

限りなく生み出して、尽きないんだ。

 

だから人だって、

 ただ喋くっても限りがないと知って、

 黙って虚の中心を

 大切にしたほうがいいんだ(笑)