道(タオ)の働きは、なによりもまず、
空っぽから始まる。
それは・・・・・・
いくら掬(く)んでも掬みつくせない。
※掬(す)くう:手で水をすくう事。
不可思議な深い淵とも言えて、
すべてのものの出てくる源(みなもと)だ。
その働きは・・・・
鋭い刃をまるくする。
固くもつれたものをほぐし、
強い光をやわらげる。
そして・・・
舞い上がった塵を下におさめる。
そんなもんで、道(タオ)のことを
谷の奥にある深い淵に例えるのだ。
その淵に潜(もぐ)っていけば
果てしれない先の先までゆくだろう。
子から親へ、その親から先へと
たどってゆくのに似て、
どこまでも、どこまでも先がある。
やっと行きついた先の
またその奥にも先があるといったものなんだ。
だから私は、
誰の子かと訊(き)かれたら、
タオという母の子、と答えるのさ(笑)