タオの第四章 まず、からっぽから始まる(笑)

道(タオ)の働きは、なによりもまず、

 

空っぽから始まる。

 

それは・・・・・・

 

いくら掬(く)んでも掬みつくせない。

 ※掬(す)くう:手で水をすくう事。

 

不可思議な深い淵とも言えて、

 すべてのものの出てくる源(みなもと)だ。

 

その働きは・・・・

 

鋭い刃をまるくする。

 固くもつれたものをほぐし、

 強い光をやわらげる。

 

 そして・・・

 舞い上がった塵を下におさめる。

 

そんなもんで、道(タオ)のことを

 谷の奥にある深い淵に例えるのだ。

 

その淵に潜(もぐ)っていけば
 果てしれない先の先までゆくだろう。

 

子から親へ、その親から先へと

 たどってゆくのに似て、

 どこまでも、どこまでも先がある。

 

やっと行きついた先の

 またその奥にも先があるといったものなんだ。

 

だから私は、

 誰の子かと訊(き)かれたら、

 タオという母の子、と答えるのさ(笑)