第二章 中医の蔵象学説の五臓の肺について 50頁♪

◆肺の志は憂。

 

五志を五臓に分類させれば、肺の志は憂である。

 

憂と悲の情志は完全に同じではないけども、人の生理活動に
対してほとんど同じ影響を及ぼす。

 

両者はともに肺の志に属す。

 

憂愁(ゆうしゅう)と悲傷(ひしょう)はともに非良性の刺激に
属し、人への主要な影響は気をたえず消耗させることである。

 

「黄帝内経」の素問の39番目に痛論篇(きょつうろん)という痛みの種類についての記載がある。

 

「悲しめば則ち心系急にして、肺布し、葉挙して、上焦通せず、栄衛散せず、熱気中に在り。故に気消ゆるなり」とある。

 

簡単に云うと、あまり悲しみすぎると気が消滅してしまうから注意しなさいとね。

 

肺の液は鼻水である。

 

鼻水は鼻の粘膜から分泌される粘液で、鼻竅(びきょう)を潤す功能がある。

 

鼻は肺の竅(あな)であるが、正常な情況のもとでは、鼻水は鼻竅(びきょう)を潤して外には流れない。

肺に寒があれば透明で水っぽい鼻水が流れ、肺に熱があれば黄濁した鼻水生まれる。

肺に燥があれば鼻の中が乾く。

 

◆肺は体で毛に合し、その華は毛にある。

皮毛は、皮膚、汗線、毫毛などを含め、全身の表であり、衛気と津液と温養と潤沢、に依拠する。

 

肺は気を主り衛に属し、衛気を宣発し、精を皮毛に運ぶ功能を具えている。

 

だから、正常な情況のもとでは、皮毛が緻密になり、毫毛が光沢を持ち、外邪に抗(あらが)う能力がかなり強くなる。

 

逆に、肺気が弱く、衛気を宣発し精を皮毛に運ぶ功能も弱ければ、衛気は固まらず、多汗、風邪にかかりやすい、皮毛が憔枯(しょうこ:やつれて枯れること)するなどの現象が現れるのです。

 

勉強になるね(笑)