第二章 中医の蔵象学説の五臓の肺について 48頁♪

◆肺が水道を通調するとは?

 

肺の宣発(せんぱつ)と粛降(しゅくこう)が体内の水液の運行、排泄に対して疎通と調節の役割を果たす事。


「宣発」は肺気の上方への昇宣と外周への発散を意味する。

 

「粛降(しゅくこう)」は粛降;肺の機能で、各臓腑へ降ろすという事。

 

肺の宣発は、津液と水穀の精微を全身に宣発し、さらに肌理の開閉を主って汗液の排泄をも調和する。

 

肺は粛降(しゅくこう)を主り、吸入した清気を腎に納めるばかりか、体内の水液をもたえず下へ輸送し、尿液の生成の源にする。

 

腎と膀胱の気化作用によって尿道を生成した体外に排出れらること、これこそ水道を通調する肺の作用である。

 

この作用が減退すれば、水液の停滞じて痰、飲、ひいては水腫(すいしゅ)と云って、体の組織や体腔(たいこう)の中にリンパ液・漿液(しょうえき)が多量にたまっている状態となる。

※怖いね。

 

百脈を朝(あつ)め、治節を主る。

 

肺が百脈を朝(あつめる)とは、経脈と通じて全身の血液を肺に集め、肺の呼吸によって気体の交換を行い、全身に配布するのである。

 

朝と書いて、あつめると読ませる。朝は気をつめるからですね。

 

全身の血と脈はみな心に属し、心臓の拍動は血液運行の基本動力である。

 

脈の拍動が「わしの役目」とばかりに肺は行動する。

 

血液に運行が気の推動に依拠し、肺が全身の気を主るので、血液の運行も肺の推動に依拠するのです。

 

◆治節について

 

治理(管理)と調節の事である。

 

肺の治節作用を体現するものは四つある。

 

一つ目は

呼吸を主ることで、呼吸運動はリズミカルな一呼一吸である。

 

二つ目は

肺の呼吸運動に従って全身の気機を治理、調節すること、機の昇降出入運動を調節することである。

 

三つ目は

昇降出入り運動によって心臓を補助し、血液の運行を推動、調節することである。

 

四つ目は

宣発と粛降により、津液の輪布、運行と排泄を調整する事である。

 

だから肺が治節を主るというのは、肺の主要な生理功能に対する高度な概括なのです。

 

肺の役割をしると人間の体が宇宙だという事が分かるような気がするね(笑)