第一章 道(タオ)・・・名のない領域

これが道(タオ)だと口で言ったからって

 それは本当の道じゃない。

 

これがタオだとな名づけたって、

 それは本物の道じゃないんだ。

 

なぜって、それを道だと言ったり

 名づけたりするずっと以前から 

 名の無い道の領域が

 はるかに広がっていたんだ。

 

まず、はじめに・・・・・・

 名の無い領域があった。

 その名の無い領域から

 天と地が生まれ、

 天と地の間から

 数知れぬ名前が生まれた。

 

だから天と地は、

 名の有るすべてのものの「母」といえる。

 

ところで

 名の有るものには欲がくっつく・・・・そして

 欲がくっつけば、ものの表面しか見えない。

 

無欲になって、はじめて

 真のリアリティが見えてくる。

 

名の有る領域と

 名の無い領域は、同じ源から出てくる。

 

名が有ると無いの違いがあるだけなんだ。

 

名の有る領域の向こうに

 名の無い領域が、

 はるかに広がっている。

 

明と暗のまざりあった領域が、

 その向こうにも、はるかに広がっている。

 その向こうにも・・・・・・

 

入口には、

 衆妙の門が立っている、

 森羅万象(しんらばんしょう)あらゆるもののくぐる門だ。

 ※衆妙之門(しゅうみょうのもん)とは、全てのものが生まれ出るとされる門の事。

 

この秘密の門をくぐるとき、人は

 本物の Life Force につながるのだ。

 

老子『道徳経』の第一章からでした(笑)