第二章 中医の蔵象学説 30頁♪

蔵象学説は、人体の生理、病理現象の観察を通じて、

 人体の各臓腑の生理功能、病理変化、およびその相互関係

 を研究する学説で、人体の生理と病理を解明し、養生保健を

 指導するのに普遍的意義を有する。

 

蔵象とは?

 蔵は体内の内臓

 象は外に現れる生理

  病理現象のことである。

 

蔵象学説は臓腑に基礎を置く。

臓腑とは内臓の総称で、生理的特長によって、臓、腑、

奇恒(きこう)の腑の三つに分かれる。

 

臓は『心・肺・脾・肝・腎』のことで五臓と云う。

 

腑は『胆・胃・小腸・大腸・膀胱・三焦』の事で、六腑と云う。

 

奇恒(きこう)は『脳・髄・骨・脈・胆・女子胞(子宮)の事。

 

五臓の共通の特徴は、精気を化生、貯蔵すること。

 

だから、多くは虚(きょ)である。

※虚とは不足している事。

 

六腑の共通の特徴は、水穀を受納、伝化することである。

 

だから、実(じつ)である。

 ※(腑は府で、集合する場という意味もある)

 

奇恒の腑は、生理功能が「六腑」と異なり、水穀とはじかに接触

 せず、相対的に密閉している器官組織であり、臓のように精気

 を貯蔵する作用を具える。

 だから、奇恒の(特殊な)腑と云う。

 

臓と腑と区別することで、生理功能の特徴を説明できるばかりか、疾病の診断と治療にも役立つのです。

 

臓の病には虚が多く、腑の病には実が多い。

 

臓が実であればその腑を瀉(はく)し、

 腑が虚であればその臓を補う。

※瀉(そそぐ・はく)意味は二つある。内にそそぐ、外に吐き出す。