今日は火から説明。
火焔(かえん)はすべて上に向かう。
心は上がって舌に開竅(かいきょう)する。
病変のときに舌尖赤痛、顔面紅潮などが現れれば、心火上炎と診断する。
だから、心は火に象徴される。
水の特性は火とまったく逆である。
水は下に下がる。
人が毎日飲む水分は三焦(さんしょう)を通じて、下行し、膀胱から排泄される。
古人は、観察や体験を通じて、この水分を排泄する功能が腎と密接な関係にあることを知った。
腎臓が正常であれば小水が正常に出るが、腎臓に病気が生ずれば小水の出方が異常になるので、腎臓を「水臓」といい、腎は水に象徴される。
木の特性は上方や四方に伸びること、力強いことである。
この特性が「将軍の官」である肝臓の疏泄(そせつ)に長ずるという特徴と関係があるので、肝は木に象徴される。
五行と五臓を配合すると、五行の相生相克の法則によって、腑と臓との関係に相互助長と相互促進、相互拘束と相互抑制との関係を説明することができる。
五臓の間で相克の関係を失えば、正常な平衡を維持できない。
同じように相生の関係を失えば、生化の功能を維持できなくなる。
ここで、五行による推測を用いれば、相互生成、相互制約、制に化あり、化に制ありの道理を説明できる。
これが生理に対する五行の応用の一般的な意義である。