黄帝内経 76.示従容論篇(ししょうようろん) その1

黄帝内経の76番目は示従容論篇(ししょうようろん)。

 

黄帝、雷公を招いてこれに問うて曰く。

 

【汝はよく医術を修めたと言うが、世の問いに答えられるか。】

 

雷公⇒【脈経の上下篇を勉強しましたが、まだ良く理解していおりません。】

 

以上のようなやり取り(問題)があって、

  雷公が黄帝に種々質問する(笑)

 

それに対して黄帝に「お前はなんと不勉強なことか」と散々叱られる。

 

そして・・・・・もっとよく質問をしろ、というのである。

 

その質問と答えを纏める。

 

問⇒肝虚、腎虚、脾虚、これらの証は全部身体が重く胸苦しい、

     この区別はいかに。

 

答え⇒脾虚の脈は浮で肺虚とにている。

    腎虚の脈は小で浮の脈なので脾虚の脈とにている。

    肝虚の脈は引き締り沈んで力がなく、腎虚の脈とにている。

 

外邪による熱病は、初期のうちは大部分肺虚証で治療する。

脈は浮いて数(さく)です。

 

脾虚で胃実の証にあると、やはり、脈は浮いてきます。

ただし、全体にはさほど浮脈ではなく、特に右関上だけが浮いている場合があります。

 

脾虚胃実で熱があれば数脈も加わりますが、通常はさほど数脈ではありません。

 

浮いて数で力のある脈の時、肺虚と脾虚と区別できにくいようです。しかし、この時は病症が違います。

 

浮数で力のある脈の時、肺虚と脾虚では次のような違いがあります。

 

肺虚⇒悪寒、発熱、項背部の凝り、あるいは関節痛など、胃腸症状は絶対ありません。

 

脾虚⇒悪寒なく発熱だけ、口渇、便秘、舌苔が現れます。

 腎は沈んだ脈が正常です。

 

腎を引き締める力が虚すと脈が浮いてくる。

左尺中を強く按じて底力のない脈。

しかし、脾虚の浮脈には濇(しょく)が強く表れる。
やわらかみがない。

と言う事で、次には肝虚や腎虚について次回記述。

 

難しい言葉沢山あるけど・・・・診断の細かさを感じてほしい。

患者の身体に意識を向けてくれているのが
 分かりますよね(笑)

こんな雰囲気がいいなって思うのです♪