黄帝内経 56番目は皮部論篇(ひぶろん)

黄帝内経の65番は皮部論篇(ひぶろん)という、

 経脈の行きかたに従って皮の部分を区別する方法から説明してくれている。

 

黄帝曰く 【余、聞く皮に部分あり、脈の経紀あり、筋に結絡あり、

       骨に度量あり、その生ずる所の病おのおのことなる。

       その部分左右上下陰陽のある所、病の始終を別たりん。
       願わくばその道聞かん】

 

プチ説明

 人体は皮膚や経脈の流れ、筋肉の起始、停止部、骨の大小等によって
 区別できる。

 それらの部から発生する病には違いがある。黄帝は一般的なことは知っている。

 上下左右陰陽で区別する方法がある、この場合の病気の始まりと終わりについて

 教えてくださいと言う。

 

岐伯先生の説明

①十二経で分ける。

 全身の体表面(皮の部分)は、十二経のどれかに属する。

 例えば下肢の皮膚を平面に開いたとイメージする。

  足には陰陽六本の経脈が通っている。

  下肢の全皮膚面は、この六経脈のどれかの支配に属する。

  経脈はすこし深い所を通っている。体表には、その経脈から出た

   枝である経脈が出ている。

  

②各経脈に関係する病気について

 陽明経の支配する体表面を害蜚(がいひ)と言う。

 陽明経には大腸と胃がある。陽気が多く、熱をもちやすい生理。

 この部中をみるに、不絡(ふらく)はみな陽明の絡なり。

 その陽明経脈の支配する部分の血絡が出ている場合、その人は陽明経
 の経脈が悪いと考える。

  ※血絡とは、経脈は人体の深い所を通る。その経脈から出る大きな枝

        経と経とをつなぐ脈を格脈と言う。

        この格脈からさらに小枝が出て、皮膚上面に浮かび出ている。

        この小さな格脈を孫脈という。

        この場合の浮脈は孫絡という意味。

        孫脈に血液が滞った場合は血絡と言う・・・・・・長いけど雰囲気でね♪

  ◆その色

   ・青多きはすなわち痛む。

   ・黒多きはすばわち痺(しびれる)。

   ・黄赤はすなわち熱す。

   ・白多きはすなわち寒す。

   ・五色みな現れるときは寒熱するなり。

   ・絡盛んなる時は入りて経に客たり・・・・わからない?

   ・陽は外を主(メインにする)り、陰は内を主る。

   血絡の色を言っています。

   赤色を基調するが、青や黒に偏っていないかを注意する。

   もし、五色が出ているようなら、寒と熱が入っている状態。

 

   絡で病気が盛んになると、その絡につらなる経まで病気が侵入する。

   経には陽と陰がある。

   経脈よりは深いところにあるが、経だけをみると、陽経は体表に近く、

   陰経はそれよりも深くにある。

 

③皮毛の部から始まる病気について

【およそ十二経の絡脈は短の部なり。この故に百病の始めて生ずるや、

 必ず皮毛より先んず。

 これにあたる時は腠理(そうり:汗腺の元)開く、開くときは入りて絡脈に客たり、

 留まりて去らざれば伝わりて経に入る。留まりて皿ざれ場伝わりて府に入り、

 胃腸に集まる。】

  各経の絡脈は皮の部分にあります。

  だから外邪が侵入しようとすると時は、まず皮の部分から発病する。
  皮に外邪が侵入すると、皮の外邪を追い出そうする働きは弱くなる。

  そして外邪は絡脈に侵入する。

  ここで治療が適当でないと、外邪は絡脈に入り、ついで腑代表である

   胃腸にまで侵入する。

  傷寒論という漢方薬両方の古書には、この間の状態を詳しく記し、

  あわせて治療薬を示している。

 

④【邪の始めて皮に入るや、ソ然として毫毛(ごうもう)を起こし、腠理開く】

外邪が皮の部に侵入すると、ぞくぞくする。

腠理(そうり)とは、外邪を追い出そうとする力のある場所という意味。

でも、その働きがなくなるから悪寒を発する。

 

⑤【絡に入る時は絡脈盛んにして色変ず】

外邪が絡に入ると、皮膚の色が変わったり、血絡を生じたりする。先の血絡の色を、皮膚の色と考えてみてね。

・色が青く痛みがあれば、外邪のうちの風邪が侵入したのではないかと考える。

・黒色で痺(しびれ)があれば湿邪。

・黄赤色で暑邪。

・白色であれば寒邪。

・寒邪が侵入し、反発して発熱すると、悪寒と発熱が同時に現れる。

 

⑥寒や熱の邪気が【入りて経に客たる時は、則ち虚に感じて陥下す】

侵入された経脈は虚して、その経脈上の支配する皮膚面は陥下する。

 

なんとなく・・・・分かりにくいけど、雰囲気的には分かる気がするから面白い(笑)