黄帝内経 43.痺論篇(ひろん)

黄帝内経 43番目は痺論篇(ひろん) は麻痺について教えてくれている。

 

※現代の麻痺とはちょっと違うらしい。

 

・痺(しびれる)

・神経がのびて動かない

・からだの感覚がなくなる

 

黄帝⇒しびれはどこから生まれるか?

岐伯⇒「風・寒・湿」の三つの気がまじわってしびれとなる。

 

①その風気まさるものを行痺(こうひ)となる。

②寒気まさるものを痛痺(つうひ)となる。

③湿気まさるものを着痺(ちゃくひ)となる。

 

痺病というものは、風寒湿の三つの外邪が侵入した時発する。

 

風邪が多い時の痺(しびれ)を行痺(こうひ)という。

 

◆行痺(こうひ)とは、痛みがあちこちに移転するものの事です。

 

 例えば、一日目は肩、二日目は腰というように、来るごとに痛む場所が変わる。

 坐骨神経痛などの場合にもあります。

 治療開始には腰部、数日すると臀部から下肢に痛みが移っていく。

 このような痛み方を行痺といいます。

 

 関係を中心に治療するらしいです。

 

 肝の働きが弱くなると風邪が侵入する。

 

◆痛痺(つうひ)は寒邪のために血行が悪くなり、一箇所だけが痛む場合です。

 また、絶えず痛みます。神経痛の患者にみられる。

 

 血行がよくなれば痛みが楽になるから、針灸治療が一番良い。

 

◆着痺(ちゃくひ)が現代の知覚麻痺のようです。

 

 これは湿邪が多いためだそうです。

 

 麻痺の治療は慎重にすべきです。

 

 針が深いと悪化する。

 

 注意しないとですね(笑)

 

以上の三種類のうち、行痺が一番直りやすいと教えてくれていります。

 

①骨痺(こつひ)

 時期は冬になりやすい。

 痺が骨にあると身体が重い。

 骨痺が慢性になると腎まで悪くなる。

 腎痺は排尿状態がおかしくなり浮腫(ふしゅ)を生じる。

 

②筋痺(きんひ)

 時期は春になりやすい。

 関節の屈伸が困難になる。

 筋痺が慢性になると肝まで悪くなる。

 肝痺になると、安眠できない、夢多く驚きやすい、口渇、小便頻繁、下腹が張る、性欲がない。

 

③脈痺(みゃくひ)

 時期は夏になりやすい。

 痺れが脈にあると血が流れにくい。

 脈痺が慢性になると心まで悪くなる。

 心痺になると、動悸。口渇。みぞおちが苦しくなって、噯気(おくび)が出る。冷えのぼせる。

 不安感が強い。

 ※噯気(おくび):胃の中にたまったガスが、口外へ出たもの。げっぷ。

 

④肌痺(きひ)

 時期は土用になりやすい。 

 痺れが肌肉にあると知覚鈍麻(ちかくどんま)になる。

 肌痺が慢性になると脾まで悪くなる。

 脾痺になると手足がだるくなる。咳が出る。嘔吐がする。のどがつまる。

 肌肉が痩せてくる。

 

⑤皮痺

 時期は秋になりやすい。痺が皮にあると冷える。皮痺が慢性になると肺まで悪くなる。
 肺痺になると呼吸が苦しくなって嘔吐する。

 

痺病を起こす原因の主は湿です。

身体に湿が多くなると脾と胃に負担がかかる。

脾は湿を嫌うのです。

五痺の症状をみると、湿が多くなった状態を示している。

浮腫、排尿力が弱い、嘔吐、噯気などです。

 

最後に精神的に安定していると外邪は侵入しないと教えてくれている。

 

また、飲食を節制して、胃気がよく働ようにしておくと、風、寒、湿の外邪は侵入しないものです(笑)

 

うーーーん、現代の私たちには辛い事ですね。

お金があり、気がゆるむと邪気が入りやすいということです(笑)