黄帝内経 39番目は挙痛論篇(きょつうろん)
この章はとっても長いので、二日間に分けて書きます(笑)
五臓の急激な痛みなどの「痛み」について教えてくれている。
痛み方の種類と病理についても記載している。
※確かに・・・・痛みって違いますよね。医者に聞かれたときに困りませんか?
そんな疑問に答えてくれる優しい岐伯先生です。
◆痛み種類・・・その1
黄帝⇒急に痛み、急に痛みが止まるのは何故か?
岐伯⇒身体が冷えると経脈や絡脈が縮みあがるから痛む。
この場合は温めてやるとすぐに楽になる。
何度も寒気にあてられていると痛みが長引くから注意が必要。
通常、痛みのある病気は温める。
神経痛でも、軽く刺針して血流をよくすれば温まって楽になります。
歯痛でも温めてみる。
深い刺針は陽気を不足さすため、かえって痛みが増すことがあります。
灸頭針は深い所に・・・・・冷えの慢性的な痛みには良い。
化膿があると思われる病気は、通常は温めてはいけない常識。
※確かに・・・・化膿したときは暖めない。
漢方薬では痛みのある時、附子剤(温める薬)をよく使うらしい。
◆痛み種類・・・その2
黄帝⇒痛みが激しくて按圧(アンアツ)することもできないのは何故?
岐伯⇒寒気が経脈中の陽気とぶつかり合い、経脈がいっぱいになるからだ」
按圧して痛みが激しい場合を実痛という。
写法が必要で、寒気を追い出そうと陽気が頑張って、熱を生じた場合だと思われる。
冷やすと気持ちの良い痛み。
関節炎などのよくある痛み。
局所を触診(ショクシン)すると、熱感があって脈動を感じます。
冷やすと気持のいい痛みです。
経脈中に生じた熱が、行き場がないので痛みを起こすのです。
針で気血をもらすと楽になります。
漢方薬なら、桂麻剤で発汗するか、それに石膏を加えて冷やしてやります。
◆痛み種類・・・その3
黄帝⇒按圧(アンアツ)して楽になる痛みはどうか?
岐伯⇒胃腸が寒気にやられると血がめぐらなくなって痛む。
按圧すれば血のめぐりがよくなって直るものです。
按圧して楽になるのを虚痛という。
針を少し刺入し、押手をそもままにして数呼吸間様子を見る。
筋肉痛でも腹痛でも虚痛なら、その程度で直る。
・腹痛の場合、痛みに瘧(おこり)があるのは虚痛です。
・痛みが持続する場合は実痛です。
重症の病気が多いようです。
◆痛み種類・・・その4
黄帝⇒按圧して変化のない痛みはどうか?
岐伯⇒これは太陽膀胱系と少陰腎経に寒気が侵入するからだ。
これらの脈は深いところを通っているから、按圧しても変化しないのである。
坐骨神経痛などで、少しぐらい圧しても変化しない痛みは、深いところに寒気があると考えます。
腰殿部には多くの筋肉があります。
深いところの筋肉が悪いと考えてもよいでしょう。
胸腹部の深い痛みだと要注意です。
膵炎や潰瘍又は穿孔(せんこう)の場合があります。
◆痛み種類・・・その5
黄帝⇒心臓部から背中につきぬけて痛むのは何故?
岐伯⇒背部の脈に寒気が侵入すると血行が悪くなる。
血行が悪くなって、血が不足すると痛むのである。
心と背部は関連があるので互いに引きあうように痛む。
この場合は、按圧してやると・・・陽気が集まってきて直る。
肩甲間部の肺兪及び外側の周辺の筋肉が緊張して、凝りや痛みを訴えることがある。
それと同時に、胸骨の中央あたりに違和感や異物感が起こる。
あるいは痛みを感じる、という場合がある。
これは多くの場合、過労による筋肉痛です。
針で凝りを取れば直ります。
喘息、心臓病などがあって胸が痛む場合、これが背部にまで達して痛む場合がある。
胸から背部にかけての痛みは、心包経と脾経を補うと良いでしょう。
漢方薬でもラッキョを薦める。
心臓病の人で胸痛のある人は、食事にラッキョウの漬物を一個ぐらい食べると良いそうです。
という事で長いので・・・・・・・・次に続く