黄帝内経 26.八正神明論篇(はっせいしんめいろん)

おはようございます。

黄帝内経(こうていだいけい)の26番目は八正神明論篇(はっせいしんめいろん)という考え方。

 

ここで書かれているのは、二つのこと。

 

一つ目は、人体の事。

 

 病症は八風が正風と邪風になって人体に作用する状況だよと教えている。

 

 現象は虚実の考え方といい、虚は不足している。

 

 実は余計なものが有り余っている。

 

 この二つの作用が風となって人体に影響を与えている。


二つ目は、四診の診断方法の事

 

 望診(ぼうしん)・聞診(ぶんしん)・問診(もんしん)・切診(せつしん)を併せて四診という。

 これらを通じて、気血水の変調や病気の経過状況を見極める。

 

 ①望診:医者の目によって、患者を判断する。外見から状態を捉える事ができる。

  1)精神状態を診る:目の動き、身体の動き方など
  2)顔の気、色、艶を見る
  3)舌の様子で臓腑の状態を知る

  4)身体の姿勢・形態から生活習慣や好みを知る

 ②聞診:耳と鼻で患者を診断する。
  1)音声を聴く
  2)においをかぐ

 ③問診:自分で変化を感じているかを言葉から診断する。
  1)悪熱はあるか
  2)どんな汗をかく
  3)どんな頭痛がする
  4)大便、小便の回数と状態
  5)飲食はどうか
  6)胸などの動悸はあるか
  7)耳は聞こえるか
  8)口に渇きはないか

 ④切診:患者に障ることで分かる

  1)脈をみる
  2)胸腹、背、手足をおさえてみる

などの診察方法を総合的に判断する。

東洋医学の一番の魅力はこの四診の方法だと考える。

これらの方法には人間を生きていると捉えて相手から見えない何かまでをも読み取ろうとする姿勢がある。

西洋医学は数字で判断しようとするが、東洋医学は全体の流れから判断する。

その証拠から病症について推測する。

 

という事で、前段はおわって八正神明論篇(はっせいしんめいろん)について紹介する。

黄帝と岐伯先生とのやりとりでこのことを教えてくれている。

 

①緊張状態、つまり気血がありあまっている時の用いる時は、息を吸い込む時に針を刺す。

 深く刺す時にも息を吸い込んだ時に進める。
 針を抜く時は息を吐くときに徐々に行う。

②弛緩状態(しかんじょうたい)、つまり気血が不足している時に用いる。
気血を補えたら、息をすいこむ時に抜針する。

 

補写という方法を用いる時には、気の動きに注意する事。

 

外形の栄養状態も大切よりも、見えない情報に意識をむけること。

目で見ず、耳で聞かず、心を一つにして

  無我になれば気の動きは分かる。

それは風が雲を吹き払うようにはっきりとね♪