黄帝内径 22臓気法時論(ぞうきほうじろん)

病症と五味の働きについてです。

 

五味は下記のように作用する。

 

①   酸味⇒ものを収斂(しゅうれん)する作業がある。

 

②   苦味⇒固める作用と熱を取る作用がる。

 

③   甘味⇒緊張をゆるめる作業がある。

 

④   辛味⇒発散する作用と暖める作用がある。

 

⑤   塩辛い⇒ものを和らげ、うるおす作用がある。

 

五味は食物の味です。

 

治療面から言えば漢方薬に使われる薬草の味です。

 

薬草は全部五味に分かられる。

 

五味は実際の味ではなく、その薬草に働きを示す言葉として用いられている。

 

①   肝の病症。

肝が悪くなると筋が引きつる。

夕方になると病状が悪化する。

両脇下が痛み、下腹部まで引きつる。

起こりやすくなる。

・目まい。

・難聴。

・びくびくしやすくなる。

・頭痛。

・耳の下が腫れる。

・肝経と胆経を治療する。

・胆気が盛んになると怒りやすくなる。

・胆気が虚するとオドオド、ビクビクする。

・肝は目に関係するが、目の小さい人は一般に気が小さいようです。

・肝が虚した時は酸味で補います。

・筋が引きつれば甘味でゆるめます。熱をもった時は苦味で冷やします。

 

②   心の病症。

胸中痛。

脇が張り痛む。

側胸部や肩甲患部が痛む。

神経の通路が張り痛んで苦しい。

心の病は夜激しくなる。

狭心症などの心臓の痛みは多く夜中です。

経絡治療では心の病症がある時、心包系を用いる。

素問や霊枢の記載から考えて、心虚は死病と考えた。

「心に邪あるはみな心包の絡なり」と言われる。

心包経と膵(脾)経を治療する心下部がすっきりする。

・心の陽気が不足した時は、辛味を使う。

・熱が多い時は苦味で冷やす。

・心が緊張しすぎる時は甘味でゆるめる。

 

 

③   膵(脾)の病症。

膵(脾)は湿気を嫌う。

・手足や全身がだるい。
・筋肉の発達が悪い。

・腹が張る。

・膵(脾)の病は朝方激しい。

・膵(脾)が弱かった時は甘味で補います。

 

④   肺の病症。

 

⑤   腎の病症。

腎の精気が枯れると口が燥き、腰より下に力がなくなる。

・逆に水が多くなると腰が冷える。
・下腹部が痛む。足がむくむ。

・盗汗(とうかん)。腎経と膀胱経を治療する。

・腎を虚すると腰痛、脚弱、陰萎(いんい:なえる)などの病症が現れる。

・肝経を同時に治療する。水太りで腰以下が冷えて動悸がする人は、腎の水が多くなりすぎた時。

・人が燥きすぎた時は塩辛い食べ物で補う。

・精気の不足した時は酸味で収めます。

・腎気の沈んで引き締めておく力が弱った時は苦味で固めてやります。

 

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