黄帝内径 19玉機真臓論(ぎょくきしんぞうろん)

黄帝と岐伯先生との会話から始まる。

 

黄帝曰く、「春の脈は弦のごとし、何故に弦なるか?」

 

岐伯先生曰く、「春の脈は東方の肝なり、東方は木(五行の木)なり、万物の始めて生じるところなり」

 

こんな書き方で脈症について説明している。

 

素問には大過(たいか)と不及(ふきゅう)で虚実症を説明する。

 

 ※虚実とは、「ないこと(=虚)」 と 「あること(=実)」の事で、「うそと本当」の意味。

 

大過とは実の事で、不及とは虚の事。

といっても分かりにくいので、大過って多すぎるってことなのです。東洋医学の考え方ってバランスが良いのが基本。

足りないもの良くないが、多すぎるのはもっと良くない。

栄養が不足するのは悪いが、それ以上に食べすぎを継続するのが一番の毒となる。

だから、現代人のおいしい物だけを食べて、後でダイエットの薬を飲むのが一番悪いってこと。

分かるよね~♪

①   肝の実症。

「ボー」とのぼせる。目がくらむ。ひどい時は転倒することもある。

 

②   肝の虚症。

胸通。背痛。両脇が苦しくなる。

※両脇って意外に病症に出てくるものです。

 

③   心の実症。

身熱くて皮膚が痛む。腫れ物ができる。

 

④   心の虚症

胸苦しい。気が昇った時は咳をする。唾液を吐く。気が下がった時はガスを盛んに出す。

 

⑤   肺の実症。

気がつきあげてきて胸苦しい。背痛。

※肺の悪い人は背中がいたいといいます。

 

⑥   肺の虚症。

呼吸困難。咳。喀血(かっけ)。喘息。
※喀血(かっけ)とは、肺・気管支から出た血をせきとともに吐き出すこと。肺結核などが原因。

 

⑦   腎の実症。

背中の筋肉が痛む。呼吸が浅くなる。ものごとを言うことを嫌がる。身体がだるく動きたくなくなる。

 

⑧   腎の虚症。

胸の中が頼りない感じ。空腹感はあるが食べられず。背中の筋肉が冷える。

背中の筋肉が痛む。下腹が張る。小便の回数や量に変化が現れる。

 

⑨   膵(脾)の実症。

手足がだるい。

 

⑩   膵(脾)の虚症。

目・耳・鼻・口・生殖器などの働きが全部悪くなる。

 

問診は、病気の原因を主に問う。

 

実症は外邪から起こる。

 

そして、虚症は内因から起こる。

 

以上の症状を知っていて、脈診・望診・問診より病んでいる経絡をしって治療する。

面白いね~♪

 

参考書籍:「初めて読む人の 素問ハンドブック」池田政一署著から