黄帝内径 8霊蘭秘典論(れいらんひてんろん)

黄帝内経の8番目は霊蘭秘典論(れいらんひてんろん)という臓腑の生理についてです。

 

五臓六腑の五臓を、宮廷の官位に例えられる。

 

現代の中医学はこれを臓象学といい研究をしている。

 

それはの臓腑の生理と異なるとの事。

 

例えば、肝といっても現代の肝臓と異なる。

 

古典医学で肝臓が悪い時とは、肝虚、肝熱と表現し現代の肝臓病と同じではない。

 

肝に対する概念が異なり、肝の働きが弱まったのを肝虚とする。

 

他の臓も同じ事。

 

ということは・・・・・身体は機能で分けられるということ。

 

会社の総務・企画・営業・・・・・経理などと同じ。

 

その部署(機能の関係者)は協力しあわなければならないということ。

誰か一人が良いのではなく、皆が補完し協力しあうから成り立つ。

 

・・・こんなところが中医学の面白さ♪

 

素問はそれらの原因を知るための宝庫。

 

◆全体の生理としては?

天の五気(風寒暑湿燥)と地の五味(酸苦甘辛塩辛い)によって人は養われている。

 

天の季節(天気)と自分自身の感じ方で人は育つ♪

 

天の五気は陽気だから口から入り胃腸で吸収される。

 それによってできた精気で五臓を栄養する。

 この二つの気が身体をめぐって、陰陽の気を調和し健康を保つ。

 

◆臓腑の生理には五臓の役割がある。

 

1.心は君主の官。

 

生命の源だから君主である。

 

神を納める。

 

陽中の陽で夏気と共通する。

 

陽気の多い臓で活動的である。

 

心の陽気の過不足は顔面に表れる。

 

陽気過剰は赤ら顔。

 

不足は青白い顔。

 

心は血脈を支配する。

 

陽気が多くなると・・・・血脈に熱を持つ・・・・・なんか怖いね。

 

心は神を納め、君主に例えられているから、心が弱ると死に繋がる。

 

心熱(心の働きすぎ)の病症、血脈の熱が心熱で現代の高血圧、動脈硬化の類です。

 

2.肺は外気を呼吸し身体内の気を巡る。

 

心の陽気が全身に巡る。そこで「肺は相扶の官」(こころを助けるという意味)

 

肺は陽気をめぐらし、皮毛を養い、外邪から身体を守る。

 

陽中の陰といわれ秋気に共通する。

 

魄(はく)を納める。

※魄(はく):人のたましい。陰の精気で、死後も地上にとどまるとされる。

 

肺がしっかりしていれば風邪はひかない。

 

気力充実しても、風邪はひかない。

 

魄とは気力を意味する。

 

3.肝は将軍の官。

 

魂を納める。

 

※魂(たましい):身体に宿って心の働きをつかさどるとされるもの。古来、肉体から独立したものと考えられた。

 

肝は陰中の陽と言われ春気に共通する。

 

精神的に発揚的、積極的な気を持っている。

 

それで将軍といわれ、あらゆる病邪と争う力がある。

 

肝は「罷極(ひきょく)の本(もと)」、といわれる。

 ※肝は疲労に耐える能力の関係をもっている。

  罷は疲に通し、肝は筋の活動を主管していて、人体の疲労に耐える能力を支配する。

  また肝の気血の盛衰は、運動機能の根本に関係が深い。

疲労の元じめである。

 

肝は全身の筋を養う。

 

肉体疲労は筋を使う。

 

肝は肉体労働をさす気力(魂)を蔵し、その為の筋の全部引き受けるところだ。

 

その状態は爪に良く現れる。

※『これをやってしまわないと落ち着かない』という人は、肝を治療するといい。

 

イライラする気持ちが何かをやらかし、筋肉が疲労して肝が弱り、さらにイライラすると、いう

悪循環を繰り返す。

又、爪が弱くなり表面がはがれやすくなる。

 

4.腎=作強の官。

 

精を蔵す。腎は陰中の陰で冬の気に通す。

 

冬のように沈み潜んで固く精気を貯蔵するのが腎の生理です。

 

その沈む力によって他の腎が精気(陰気)を出し、それに相当する陽気が活動します。

 

だから・・・腎の使いすぎは陽気の使いすぎになるのです。

 

5.脾と胃=倉稟(そうりん)の官。

 ※ここでいう脾とは膵の事なので、頭で置き換えてくださいね♪

 

五味を消化吸収するのは胃の役目。

 

それによって出来た精気は腎に貯蔵される。

 

血は肝に貯蔵され血脈を通じて全身に送る。

 

その元締めは脾である。

 

脾によって全身が栄養される。

 

その状態の良否は口唇や全身の肌肉にあらわれる。

 

陰中の至陰といわれる。

 

胃の消化力は肺から来た陽気によって働く。

 

胃が良く働いて陽気を産出し、肺心を動かします。

 

胃では陰気(精や血)作られます。

 

これは脾から肝や腎に送られます。

 

だから脾は五臓の中心に位置します。

 

重要な働きがありますので、陰中の至陰といわれる。

 

至るは至宝の意味。

 

脾が弱ると病気は一番深く入り込む。

大切にしないとだね~♪

ということで、『霊蘭秘典論(臓腑の生理)』は明日に続きます(笑)