黄帝内径 2 四気調神大論(養生法)

四気(四季)に心身(神)を調和させる方法がある。

 

前回の「1上古天真論(養生法)」というのは基本の事です。

 

ここでは具体的に季節との関わり方を学びます。

 

1.  春の養生法

 

春の三か月間は「発陳(はっちん)」という。

冬の間かくれていた全てのものが芽を出し、活動的になる時期。

陽気が多くなる。

もやもやと・・・陽気が見えるようになる・・・・・良いね~♪

人体も陽気が多くなる・・・・だから、ワクワクしてどこかに行きたくなる。

ゆっくりと寝て、日の出とともに起きる事。

「遅くねて早起き」

心身ともにのびのびと過ごし、活動的な気持になる。

これが春の気に応じる方法。

ということは、春気に逆らって沈んだ状態でいると、夏でも汗が少なく冷え性になる。
なので、春らしく元気に活動的になろう(^^♪

 

事例として、春に「神経痛・皮膚病・だるさを感じる・のぼせる・眠れない」などのケースがある。

適当に運動して陽気を取り入れると直ってしまう。

 

古代の人達は賢かったね。

 

2.  夏の養生法

 

夏の三か月は蕃秀(ばんしゅう)と言う。

草木が成長し、万物が茂り花咲き乱れ、陽気が最高潮に達する季節。

夜を楽しんでから寝て、日の出とともに起きる。

「遅く寝て早起き」

日中が長いけど怠けてはならない。

適当に運動して一日一回は発汗するように心がける。

気は発散する。

もし、陽気を発散しないと、熱がこもってしまい弱ってしまう。

体の中で陽気の多いところは『心』。

熱の多い心に、更に熱がこもると心臓を悪くする。

陽気を発散しないと身体全体も暑くなる。

そうなると、身体は冷房や冷たい飲み物を求める。

秋は肺が働く時期。夏に養生しないと肺の熱により乾燥されて、痰の少ない乾いた咳をしだす。

 

3.  秋の養生法

秋の三か月を容平(ようけい)という。

万物が実を結ぶ時期。

すべてが引きしまり収納される時期。

当然陽気も体内深く収納される。

この時期は「早く寝て早起き」

やりたい事沢山あってイライラし、活動的になってはならない。

冬のボーナスで旅行とか忘年会とか新年会・・・・飲み会の多い時期。

発汗しすぎると風邪をひきやすくなる。

 

4.  冬の養生法

 

冬の三か月は「閉蔵(へいぞう)」という。

万物が静かに沈み消極的になる時期。

すべてを収納されて貯蔵する。

この時期は「早く寝て遅く起きる」

陽気も貯蔵されているのだから、活動的になってはならない。

冬に無理をすると、春になって陽気が発動しない。

必ず手足がだるくなる。

※この季節にずっと風邪気味という人は調整方法が間違っているという事。

特に乳児の風邪は暖房過剰で着せすぎで発汗して風邪になる。

冬は腎経を中心に元気にする事。

『いまだ、病まざるを治す』というのが古典医学の考え方。

未病って言われるやつです。

100歳まで元気に生きていた古代人は、病気になる前に努力を惜しまなかったのかもしれない。

予防医学は今でも活用でき、しっかりとした考えかたのように思える。

 

「素問は古い遺物ではない」と書いてあるけど、本当だな♪

 

参考書籍

「初めて読む人の 素問ハンドブック」池田政一署著から