日本よい国

2017年の幕開け。

松下幸之助の「道をひらく」の最後に載っている言葉を紹介します。

お正月にふさわし言葉、日本人が忘れてしまったものがこの中にあるように思います。

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------------

 

日本よい国

 

花が散って、
若葉が萌えて、
目のさめるような青空がつづいている。
身軽な装いに、
薫風が心地よく吹きぬけ、
かわいい子供の喜びの声の彼方に、
鯉のぼりがハタハタと泳いでいる。

五月である。
初夏である。
そして、この季節にもまた、
日本の自然のよさが生き生きと脈うっている。

春があって夏があって、
秋があって冬があって、
日本はよい国である。

自然だけではない。
風土だけではない。
長い歴史に育まれた数多くの精神的遺産がある。
その上に、
天与のすぐれた国民的素質。
勤勉にして誠実な国民性。

日本はよい国である。
こんなよい国は、
世界にもあまりない。
だから、
このよい国をさらによくして、
みんなが仲よく、
身も心もゆたかに暮らしたい。

よいものがあっても、
そのよさを知らなければ、
それは無きに等しい。

もう一度この国のよさを見直してみたい。
そして、日本人としての誇りを、
おたがいに持ち直してみたい。
考え直してみたい。

 

松下幸之助「道をひらく」より

 

易たま