タオの第14章 形のない形だけの在るところ

五感でなにか確かめられないものそこ

 

ほんとの実在なんだ。

 

微小すぎるものは

 

いくら見ようたってみえない。

 

あんまり幽(かす)かな音というのは、

 

いくら聞こうたって聞こえない。

 

滑らかすぎる表面は

 

触ったってそれと感じない。

 

この三つの微のきわみは

 

微細であるだけに、互いに

 

融けあえる。

 

そして、この三つが一つに

 

とけあっている空間・・・・

 

それは無か空にみえるけれども

 

充実したもの、

 

もっとすごい実在といえるわけだ。

 

そこでは

 

かぎりなく昇ったて

 

ただ明るいというだけじゃないし

 

かぎりなく下へおりたって

 

ただ真っ暗なばかりじゃない。

 

すべてが絶え間なく連続し、変化し、動いていて、

 

やがてはあの名のない領域に戻る。

 

これは形だけのあるところ、

 

無いものだけのあるところ、すべてが

 

捉(とら)えがたい抽象でできているとも言える。

 

そいつの後をついて行っても

 

背中は見えないし

 

前に回ってみたって

 

顔つきなんかわからない。

 

どうやったら掴(つか)まえられるかって?

 

まあ、

 

今の自分の中に、そして

 

萬物のなかに

 

タオが動いていると自覚することだ。

 

それは・・・・・

 

太古の太古のときから伝わってきている

 

と想像する。

 

すると・・・・・

 

道(タオ)の全体象が

 

現れてくるかもしれない。