◆昇清(しょうせい)を主る。
脾気の運動の特徴は昇清である。
※脾の機能で上に上げるという意味がある。
「昇」は上昇、「清」は水穀の精微など栄養物質の事。
昇清とは、水穀の精微などの栄養物質を吸収して心、肺、頭、
目に上輪し、心肺の作用で気血を化生して全身に栄養を送る
事である。
昇と降は矛盾する行動であり、脾の昇清は胃の降濁と対をなす。
これが一つ目の要素である。
二つ目の要素は、臓と腑との間の昇清相因と協調平衡は
内臓が常に一定の位置を維持するための重要な要素である。
脾の昇清の功能が正常であってこそ、水穀の精微など栄養物質
吸収し、正常に輪布して、元気を充実させ、内臓を下垂させ
ない。
逆に、水穀を運化できなければ、気血の生化の源がなく、神疲
、乏力(脱力感)、目まい、腹張、下痢などが起り、脾気(中気)
が下陥(げかん)すれば、慢性下痢、脱肛が起り、ひいては
内臓下垂などが現れる。
◆統血を主る。
統は統摂(とうせつ)、統制のことで、統血とは脾が脈中における血液の運行を統摂し、脈外に溢れるのを防止する功能を有する事。
脾の統血の主要なメカニズムは、脾気の血に対する個摂することができるのは、脾が気血生化の源であることと密接な関係がある。
脾の運化の功能が健在、旺盛であれば、気血が充実し、気の固摂作用も強大になる。
その逆であれば、気血生化の源がなくなり、気血が虚欠し、気の固摂作用も減退し、失血する。
便血、尿血、崩漏(性器からの異常出血)などを「脾の統血不能」
と云う。