黄帝内経 37.気厥論篇 (きけつろん)

黄帝内経 37番目は気厥論篇 (きけつろん)という。

 

五臓六腑の間を病が伝わっていくという話。

ちょっと、怖い気もするけど・・・・大丈夫、知れば怖くない。

 

では、本文を紹介する。

 

身体内に風寒の邪が侵入すると、邪を追い出そうとして衛気が争う。

※衛気とは、身体を守ってくれる警察官のような気。

 

そして、多くは発熱し、その熱を中心に・・・・・・病状が進む。

 

次に、衛気が負けて熱を出さなくなる。

 

悪寒だけを訴える事もある。

 

この時は寒症状を中心に病気が進みます・・・・・怖いね~♪

 

こんな感じで発した寒や熱が、ある部位に定着すると・・・・それに関連する場所もその寒熱を受けて病症を発します。

下記に、一定部位に発した寒や熱が「他の部位に影響を及ぼした時」の症状を教えてくれている。

①腎の寒冷が脾に影響を及ぼした時、肌肉(皮膚)が腫れて元気がなくなる。

②脾の寒冷が肝に影響を及ぼした時、腫れ物ができて筋が引きつる。

③肝の寒冷が心に影響を及ぼした時、陽気が不足して食欲がなく、頭が狂う。

④心の寒冷が肺に影響を及ぼした時、飲んだ水の倍の量の小便が出て、これは死症である。

⑤肺の寒冷が腎に影響を及ぼした時、下腹に水が溜まってジャブジャブいう。腹は堅くない。

 

身体が冷えるって・・・・こんな症状が出るものだってこと。

 

なんとなく考えただけでゾッとする。

 

肺が冷えると⇒小便の回数が増える。

胃が冷えると⇒食欲がなくなる。

腎が冷えると⇒水肥りになる。

冷えは陽気の不足。

 

心包経、肺経、陽経を中心に治療する。

 

次は、熱の症状について

 

①脾から肝へ熱が移った場合。驚きやすく鼻血を出す。

②肝から心へ熱が移った場合。心は陽気が多く熱を嫌うので死に至る。

③心から肺へ熱が移った場合。食欲は盛んになるが、熱のために痩せてくる。

④肺から腎へ熱が移った場合。発熱して汗が出て、悪寒のない痙攣(ケイレン)病になる。
⑤腎から脾へ熱が移った場合。下痢をおこし死亡する。
⑥子宮から膀胱へ熱が移った場合小便が出なくなる。あるいは血尿が出る。

⑦その他、大腸、小腸、胃、胆などの腑が熱をもつと、盛んに食べるが痩せていく。便秘、痔疾、口内炎などにもなる。

 

一般に寒冷病よりも熱病の方が重症となる。
体表部の熱は、今で言う感冒(カンボウ)などで、内の臓や腑に熱がある場合は、難病が多いらしいのでご注意。

※感冒:一般的に風邪(フウジャ)という、体を急激に寒気にあてた際などに起こる呼吸器系の疾患の総称。

 

何処で熱が出ているかを知るのが一番大切。

 

黄帝内経の37番には知る方法は脈とありますが、難しく説明ができないので、東洋医学の専門家に相談した方がよさそうです(笑)

 

という事で、この章からの学びは「熱が出ている場所」が臓腑だったりすることに注意。

そして、熱が移動したときには病症の分析が大切だという事。

私たちは専門家ではないが、患者の情報は入手できる。


大切な身内や友人の病状に注意するって事が一番大切。

素人が、わが身を守る方法は、ただ一つ分析能力を高め、明確に専門家に伝える事(笑)