黄帝内経 28.通評虚実論篇(つうひょうきょじつろん)

黄帝内経の28番目は通評虚実論篇(つうひょうきょじつろん)です。

 

虚実についていろんな角度から述べている。

 

虚というのは、身体に必要なものが不足しているという事。

例えば、人の身体は「気血水(きけつすい)」で、守られている。

この気血水が不足しているのを虚をつけて表す。

気虚とか、血虚とか、言うように、気や血が足りてないという意味。

 

そして、実とは入り込んだとか、多すぎるとか、多すぎてめぐりが悪くなった。

例えば、邪気が入ったとか言います。

外邪(外からの邪)が風邪が入った。

余計なものが身体に入った、ウイルスのような菌等。

虚実(きょじつ)で表す。

この章では黄帝曰く。「何を虚実と言う」

岐伯答えて曰く。「邪気盛んなるを実、精気を奪われるを虚」

※意味は邪の気が身体の中で元気になると、精という元気な気を
 どんどん、奪われてしまうって事。

 

なので、虚とは精気(正気)の不足

 

精気はどうやって不足するのか?

 

精神的動揺・労働・房事過多・飲食の過不足より不足する。
・精神的動揺→ストレスの事
・労働→頑張りすぎる事

・房事過多→漢方では、男女が交わる性行為の事を、『 房事 』 と言い、房事のやり過ぎの事

・飲食→食べすぎ、食べ物の偏り、ダイエットなどの食べなすぎ


だから、病気の大部分は虚することによって起こります。

 

この精気の不足があるところへ、外邪が侵入した場合が実です。

 

27番目の離合真都論篇にもあったように、邪気があるところには必ず精気の虚がある。

だから、治療はまず虚を補い、その後実を写するといわれる。

 

精気は正気または真気とも言われる。

 

身体の「正しい働き」のことです。

黄帝=虚実の気虚とは何か?
岐伯=気虚は肺虚なり。

 

虚にも種類があり、気虚にも種類があるらしい。

 

ここでは肺虚について説明するね。

 

肺は気を全身にめぐらす、気虚の代表は肺虚なのです。


肺気が虚すると、言語がはっきりしない、と記されています。

黄帝=乳児が発熱して脈が小さいのは何故か?

岐伯=手足は温は行生き、寒は死す。

 

※質問に正しく回答しないのが、岐伯先生の面白いところ(笑)

 

熱病の時の脈は大きい。

乳児は陽気が多いのが正常、だから脈は大きくなる。

 

脈が小さいのは、発熱はしているが、自覚的には寒いのです。

陽気が不足し、なのでこの場合は寒邪があると見る。

 

この時に、寒邪に負けて手足も寒ならば重症と診る。

 

手足温なら盛り返して、脈も大きくなって治っていく。

 

乳児が発熱した時には、足首を触ってみようね。

 

アキレス腱をはさんで腎経と膀胱経が通っていて、この部分が冷たい時は要注意です。

膀胱経を補ってあげようね。

これは、なんと大人でも同じとの事です。

 

※とっても大事なので今度もう少し説明できるように調べてみますので、後日期待してくださいね。

 

黄帝=下痢に血が混じるのは?
岐伯=身体が熱していれば重症。冷えていれば軽症。


下痢と下血によって陰気が不足すれば、内に熱が出る。

 

その熱が体表にまで出てくるようならば、それだけ陰気の不足が強いわけ。

 

凄いね~♪

 

黄帝=粘液便の下痢は?
岐伯=沈脈は軽症。浮脈は重症

 

下痢をすると身体内の気血が抜けてしまう。

 

抜けた気血を助けるために全身の気血は体内に集中する。

当然、気は沈むから脈は沈む。

 

2000年以上昔から人間の病気は同じだったのかもしれない。

ただ、生活環境が作り出した多くの病気もあったりする。

生活環境で育ってしまった病気は、生活環境を変えるしかない。

その辺についての生き方を、私たちは「学び」「考え」を変える必要があるように思えます。

難しいけど、これからの人生をかけて学ぶのも面白いと思います(笑)